• ホーム
  • ジャパン・プラットフォーム(JPF)国内事業における支援方針

ジャパン・プラットフォーム(JPF)国内事業における支援方針

2018年度のJPF東日本大震災被災者支援事業では、東北の被災者・避難者が抱える緊急人道支援課題の解決に向けて以下の3つの方針・目標と共に活動を展開していきます。

3つの方針・目標

1)緊急人道課題への対応および体制の構築
「助成(個別支援)」「連携調整(団体と団体・企業等を繋ぐ)」「ネットワーキング(複数団体によるアプローチ)」という3つの手法を用いて、被災地域における今目の前に横たわる緊急人道課題を解決およびそのための体制づくりを目指します。

2)被災地域の課題解決機能・レジリエンスの向上
地元団体およびネットワーク体の運営基盤づくりを支援することにより、地域の課題解決機能の向上を目指し、新たに派生する課題に地域主導で対応できる力(レジリエンス・地域力)を地域の団体と共に育みます。

3)今後の広域・大規模災害へ東北の教訓をいかす
JPFのこれまでの東北の活動を外部専門家により客観的に整理・検証をしてもらうことにより、その教訓を今後の広域・大規模災害等へのJPF及び関係団体の支援体制に反映させることにつとめます。

岩手・宮城・福島県における活動

3県におけるJPFの支援は、上記の1)緊急人道課題への対応および体制の構築と2)被災地域の課題解決機能・レジリエンスの向上、という大目標に向かい進められています。その大目標に到達するための手法は各県の状況により異なってきています。

岩手県、宮城県の被災者については、災害公営住宅等の恒久的な住宅への移転が概ね完了しつつあるものの、一方で今なお存在する、現行行政制度では対応できていない震災起因の緊急人道課題(通院困難な移動困難者、衣食住が脅かされている生活困難者等)に対し、JPFとして以下の対応を講じていきます。

1)該当分野で活動する県域/地域団体と協働し、課題解決に資する体制を構築する
2)県域の中間支援団体と協働し、緊急人道課題の解決に資する活動を行う団体で、過去に共に生きるファンドの助成を受けたことのある団体の組織基盤および課題解決力を強化する

東京電力福島第一原発事故に伴う福島県民を中心とする被災者・避難者については、いまだ避難指示解除や住宅支援打ち切りがなされたばかりの方が多く、JPFでは広範囲かつ多様な分野においていまだ緊急人道危機の状況にあると捉えており、JPFとして以下の対応を講じていきます。

1)福島「5つの重点支援テーマ」を設け、資金助成(「共に生きる」ファンド)を通じ、個々の団体への活動支援を継続します。

1社会的弱者の支援

障がい者、女性、高齢者などを含む社会的弱者、生活困難者、経済的・精神的困窮者を対象とする活動

2地域セーフティネット強化

避難先および帰還先でのコミュニティ(地域社会)がセーフティネットとして機能するために形成・保持・再生を促す活動

3地域文化の存続

人々が依って立つ土台となる、地域の伝統・文化・生業の存続につながる活動

4放射能不安への対応

放射能汚染からくる不安に向き合い、寄り添う活動

5地元主体のネットワーク促進

支援者と市民社会がお互いの活動を補い合うための場づくりや、ネットワーキングを促進する活動

2)社会資源が極端に不足する避難指示解除地域を中心に、県域/地域団体および行政と協働し、支援者間のネットワーク/課題解決に寄与する体制を構築・推進します。

3県の被災者の現状と支援活動内容

福島在住被災者および福島からの広域避難者の状況と支援内容

状況

福島では2016年度から2017年度初めにかけて避難指示解除が相次ぎ、大熊町や双葉町以外、および浪江町、富岡町、飯館村なども一部を残して、避難指示が解除されることとなりました(大熊町・双葉町は復興拠点地域を準備中)。2017年3月末に自主的避難者(避難指示区域外避難者)への住宅支援が打ち切りとなり、これから避難指示解除に伴い賠償金も終了していくので、就労・収入創出等、生活再建の課題は非常に大きくなっています。復興住宅の完成に伴い県内の応急仮設住宅の集約も進み、移動先でのコミュニティ再編が必要になってきている一方で、避難指示解除された地元に帰還するかどうかの選択も同時に迫られています。重篤な状況を抱え仮設から出られない人もいれば、帰還して孤立する人も出ています。放射能に向き合う課題も山積みです。

活動内容1. 「共に生きる」ファンドを通した支援事業

こうした状況においてJPFは、引き続き福島の5つの重点分野を踏まえて活動を展開します。具体的には、①震災による社会的弱者支援、②放射能の不安に向き合う活動、③地域文化の存続、④地域コミュニティの強化、⑤地元主体のネットワーク促進を行う地域団体に対して、厳格な審査の下、資金助成を行い、さらに進捗状況を確認しながら寄り添い型の支援を行います。さらに地域の課題を把握し、ニーズマトリックス表や報告会、シンポジウムなどを通じて発信しています。このような活動を通して、福島の人々が生存・生活・尊厳を守られ、それぞれのもつ豊かな可能性を実現するために、課題解決能力の強化を通じて持続可能な個人の自立と社会づくりを促していきます。

活動内容2. 復興庁「被災者支援コーディネート事業」

5つの重点分野にある『⑤地元主体のネットワーク促進』に資する事業として、JPFは復興庁『被災者支援コーディネート事業』を受託しました。福島の『浜通り』では、避難指示により一度消滅した地域コミュニティの再生や今後の地域づくりに向けた住民を中心とした支援者や行政機関などとのネットワーク形成を目指し、南相馬市小高区、浪江町、川内村などの地域での活動、双葉郡全般やいわき市等の広域での活動を住民や支援者などと協働し進めています。また、県域での避難生活継続により、見守り等を含めた『心のケア』、生活基盤の喪失等による『生活困窮』や『子供の貧困』など、継続的な支援が予想される分野の県域でのネットワークづくりも行っています。

福島支援に関してはこちらもご覧ください

宮城在住被災者および宮城からの広域避難者の状況と支援内容

宮城県内の災害公営住宅は99%が着手、96%が完成しています。仮暮らしの生活を余儀なくされている方は3,753戸(7,872人)で、ピーク時の44,108戸(115,758人)と比べるとかなり少なくなりました(※)。ただし、仮暮らしの生活が終わったからといって震災前と同じような安心安全な生活が取り戻せたとは言えません。震災の影響を強く受ける高齢者や女性の生活状況は震災以前に比べて悪い状況が続いており、子どもたちを地域の中で守り育てる住民コミュニティは形成途中のところが大半です。被災困窮者の支援や災害公営住宅等のコミュニティ形成が大切な時期が続いています。JPFは地域の方々による地域主導の復興が行えるよう支援者の力添えを継続しています。

(※)復興の進捗(2月11日より)
https://www.pref.miyagi.jp/site/ej-earthquake/shintyoku.html

岩手在住被災者および岩手からの広域避難者の状況と支援内容

岩手県内の災害公営住宅は約9割が完成し、仮暮らしの生活をしている方は3,655戸(7,758人)となりました(※1)。岩手県内で定期的に行われている調査(※2)によると、生活の回復度について「回復/やや回復した」と答えた方の合計が86.7%であるのに対し、地域経済の回復度については、「回復/やや回復した」と答えた方の合計は57.8%でした。復興工事終了後の建設需要減退もあり、雇用状況が震災前のように安定するにはまだ時間がかかります。ハードの復興が完了し、公営住宅などへの入居が済んだからといって支援を終わらせず、住民の方々の生活を丁寧に見守りながら復興から平時の支援へ移行していく必要があります。JPFは住民に寄り添う支援団体の活動に伴走していきます。

(※1)応急仮設住宅の入居状況(1月31日)
http://www.pref.iwate.jp/saiken/sumai/023870.html

(※2)「いわて復興ウォッチャー調査」
http://www.pref.iwate.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/001/853/300216.pdf