「共に生きる」ファンド 助成事業
「共に生きる」ファンドとは
JPF「共に生きる」ファンド募集は2018年11月に終了、これまでに助成した事業は2020年3月で完了しました。
2011年5月から2019年3月の約8年間で、33回の公募を行い、403事業(助成総額:17億8千3百47万円)に助成いたしました。
皆様のご協力のもと、地域主体の復興を支える「共に生きる」ファンドを実施してこれましたことに改めて厚く御礼申し上げます。
2021年1月からは、2019年度に外部専門家から提言(2020年3月 JPF東日本大震災被災者支援 評価報告書)のあった「福島に残された3つの課題」の解決を目指し、福島支援プログラムを実施しています。
2011年3月11日、東日本大震災発生当日に出動を決定したJPFは、地元の人々に寄り添いながら復興を後押ししてまいりました。行政、社協、民間企業、NPO・NGO、個人ボランティア等の多様な主体が復興に尽力する中、JPF「共に生きる」ファンドは、地域が主体となる復興の後押しとなるよう、岩手・宮城・福島における支援団体(非営利団体・法人格有)を対象に、2011年5月に助成を開始しました。
岩手・宮城では、インフラ復旧が概ね進む中、2016年度には支援体制の本格的な地元への移行を終え、地域行政や社会 福祉協議会、地元団体などによる地域主導の復興の目途が立ったところで支援を終了しました。一方、複雑かつ長期的な課題を抱える福島に対しては、2015年11月に「福島支援強化」方針を打ち出し、地域連携・中間支援組織とともに地元NGOをサポートしながら、「共に生きる」ファンドを2019年度末まで継続し、復興の体制整備に尽力してまいりました。
「共に生きる」ファンド:4つの支援領域
地域支援のニーズを考慮した以下の4つの支援領域を軸とする幅広い支援を対象とし、東日本大震災の被災者支援を行う団体に資金助成を行ってきました。地域の主体的な活動を支援するだけでなく、復興のフェーズを見極めて活動を次のステップへ繋げ、地域に根付くようサポートしてきました。
- 地域の人々が集う場の提供や、作業を一緒にする過程などを通して、復興に向けた住民同士の繋がりを生むための支援です。
- 行政がカバーできていない分野や人々にも支援がまんべんなく行き届き、被災者が安心して健康な生活を営むことができるための支援です。
- 被災し仕事を失った方々が生業をもち収入を得られるようになるための活動や情報提供を通じ、被災された方々の生活の安定につなげる支援です。
- セーフティネット支援・コミュニティ支援・生業支援が効率的に進められるよう、行政やNGO/NPO、他の組織との支援の連携/調整のサポート等を行う支援です。
「福島支援強化:5つの重点活動」
JPFは2015年11月、長期的かつ複雑な課題を抱える福島の状況を鑑み、「福島支援強化」方針を打ち出しました。「共に生きる」ファンドも、2017年12月からは、対象地域を福島県及び福島第一原発事故に起因する被災者を抱える地域に限定し、以下の5つのテーマに沿った活動に助成をしてきました。
1社会的弱者の支援
障がい者、女性、高齢者などを含む社会的弱者、生活困難者、経済的・精神的困窮者を対象とする活動
2地域セーフティネット強化
避難先および帰還先でのコミュニティ(地域社会)がセーフティネットとして機能するために形成・保持・再生を促す活動
3地域文化の存続
人々が依って立つ土台となる、地域の伝統・文化・生業の存続につながる活動
4放射能不安への対応
放射能汚染からくる不安に向き合い、寄り添う活動
5地元主体のネットワーク促進
支援者と市民社会がお互いの活動を補い合うための場づくりや、ネットワーキングを促進する活動
※1回あたりの助成上限額
【JPF「共に生きる」ファンドの助成を受けたことがない場合】
法人登記からの 活動実績 |
前年度の支出実績 | 1事業あたりの 申請上限金額 |
---|---|---|
1年未満 | - | 100万円 |
1年以上 | 100万円未満 | 100万円 |
100万円以上、500万円未満 | 500万円 | |
500万円以上 | 1,000万円 |
【JPF「共に生きる」ファンドの助成を受けたことがある場合】
原則1事業あたり1,000万円まで。
※助成対象外の活動
次の活動は本ファンドの助成対象外とします。
- 施設や建物の建設、大規模な改修や修繕
- 団体運営の管理費が主となっている予算計画
- 既存の公共制度で代替がきくもの
- 主たる目的が防災教育や調査・研究活動であるもの
- 助成金を、寄付や基金への充当、裨益者への資金配布に使う活動
「共に生きる」ファンドを通した支援事業例
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特定非営利活動法人
Wunder ground
津波と原発事故の影響で漁業の自粛を余儀なくされた福島県いわき市久ノ浜地区の漁師らが、子どもたちに漁業の価値を伝承し、漁師としての誇りや地域のコミュニティを取り戻す活動をしています。(2018年3月9日更新) -
認定NPO法人
いわき放射能市民測定室 たらちね
見えない・におわない・感じない放射能による不安と長期的に向き合い、被ばくの被害から子どもたちと地域の人々の健康を守るための支援をしています。(2018年3月9日更新) -
特定非営利活動法人
青空保育たけの子
平日は福島市や避難先である米沢市から通う子どもたちを保育施設で受け入れ、週末は福島から訪れる家族に施設を開放し、のびのびと自然に触れる活動を支援しています。